貴一君…

敬愛する先輩であり、父と盟友でもあった、岸恵子さんの訃報。
心から残念でなりません。

今から10年ほど前だったでしょうか、ドラマの撮影でご一緒したのが最後となりました。
アメリカでのロケだったのですが、スタッフ、キャストが合宿のように、アメリカのモーテルに宿泊しての撮影。
ある日、夕食が終わり部屋に戻ってくる途中、岸さんが、部屋着で廊下をウロウロと。
お声がけは失礼かと思ったのですが、ちょっと困っていらっしゃる様子でしたので「岸さん、どうかなさったのですか?」とお聞きした所、明朝早いので、目覚ましを掛けようとしたが、上手く操作ができず、マネージャーさんの部屋をノックしてもお返事がなく困っているとの事。
「僕で良かったら、お手伝いしますが…お部屋に入ることになりますが、宜しいですか?」と伺った。
「勿論よ、貴一君なら大丈夫。セットしてくれる?」
とのお答え。
そして、部屋にお邪魔して、目覚ましをセット。
帰り際に、岸さんが大声で笑いながら、「嫌だーっ、思い出した。「君の名は」のロケだったか忘れちゃったけど、昔、ロケ先で佐田さん(父)にも、目覚ましセットしてもらったことがあったのよーっ。これで安心して眠れる。ありがとうねー」と、送り出して下さった。

その時思いました。肌感も何も覚えていない父ですが、親子で、岸さんの目覚ましをセットするという、時空を超えたお手伝いができましたこと、心から幸せだなーと。
やはり、父のDNAが、私の中にはあるのだなーなどと、ちょっと大袈裟に嬉しくなったものです。

これで又、「貴一君」と呼んでくださる先輩が逝ってしまわれました。
心から、ご冥福をお祈りいたします。合掌

4件のコメント

  1. ご自分と同じ道を歩み続ける貴一さんの側に、いつもお父様がいらっしゃるように感じるエピソードですね。
    この場でシェアして下さり、有難うございます。
    美しいだけでなく、モダンで独特のオーラをまとっていらした岸さん。
    御冥福をお祈り申し上げます。

  2. 岸恵子さんの訃報、一昨日テレビで知りました。
    貴一さんのお父様と共に、昭和時代、ブラウン管の奥から、皆さまに癒しを届けていただいた、きらきらしたオーラの素敵なかたでした。
    テレビで訃報を知ると、「あぁそうなんだ。寂しいな。」と、ついうつむいて。心がしぼみます。
    佐田さんと貴一さん、お二人で目覚まし時計のセット。偶然ではなく、必然だったような。ほんとうに素敵なエピソードですね。お父様と同じお仕事たったからこそですね。
    岸恵子さん、心から、ご冥福をお祈りいたします。

  3. 素敵なエピソード のご紹介ありがとうございます。
    お父様のDNAを受け継いでいますね。
    ジェントル マンな佐田啓二さんと中井さん、可愛い岸恵子さんが
    目に浮かびます。
    このエピソードのご紹介、なによりのご供養になったと思います。
    美しさも生き方も憧れる岸恵子さんの
    御冥福をお祈りします。

  4. あれはTBS開局60周年、戦後65年を記念して制作された橋田壽賀子脚本のドラマ「99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜」ですね。当時、録画して幾度も拝見致しました。私は昨年、今年渡米し、今年はカリフォルニアに長逗留して、JAPANESE CHURCHに足を運ぶ機会に恵まれました。かつて強制収容所に行かされた方もおられたと聞きました。現実の話として、戦後81年の今、肌で感じました。

    私一人でレストランに入ろうとしたら、まるで、あのドラマと同じ待遇を受け、差別は続いているのでした。
    善良なアメリカ人でさえ、「エノラ・ゲイ」が何を日本にしたら、認識していません。
    私は岸恵子さんの歩みについて、今一度知りたいです。
    父母が戦時下で生きていたことは、戦争の酷さ、愚かさを伝える使命を託されていると思います。そんな遠い過去でないのに、忘れてしまう人間にならぬよう行動します。
    私も岸恵子さんの冥福をお祈りいたします

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